マーケット感覚

 ちきりんさんの「マーケット感覚を身につけよう」を読了しました。その中で自分が参考になったところをまとめていきたいと思います。

 

 ちきりんさんは論理的感覚も大事であるが、それ以上にマーケット感覚が大事であると言っています。例えば航空業界のANAのライバルはだれでしょうか。まず考えるの同業者のJALやピーチなどのLLCが考えられます。交通手段の代替えとしては新幹線も考えられるでしょう。また、ここで会議をするために移動する人の立場に立ち、考えてみましょう。移動には時間もコストもかかります。会社の会議で世界に部署があるところでは一同に介する会議の機会をすぐに持つのは難しいです。そこで、代替案として挙がるにはZOOMなどのビデオ会議。こうして考えるとANAのライバルはビデオ会議もあると考えられます。論理的感覚で考え抜いた後、マーケット感覚を用いてブレイクスルーを起こすことができるでしょう。

 

 市場は需要と供給の関係で決まっています。どんなに良い商品であっても供給者が多すぎると儲かりません。つまり、市場化が進む社会では高く売れるのは良い商品ではなく、需要に比べて供給が少ない商品です。例えば職業の弁護士。難関資格であるのに関わらず、最近では過払い金処理などの業務を行う人もおり、苦労の割りに稼げない職業となっています。

 職業選択では一生懸命頑張る前に自分がどの市場を選択するのかが大切です。市場の需要供給を見極め、自分の価値をどの業界、どの会社が高く買ってくれるか。これもマーケット感覚でしょう。

 

 セレクトショップの価値は何でしょうか。服を買うことでしょうか。センスの良いバイヤーが選んだが置いてあり、必要によりアドバイスを貰えることでしょう。セレクトショップの顧客は「自分に価値観にあったものを選んでもらうという価値」にお金を払っているんです。ここでは、「自分が何を売っているのか」を考えることが市場を広げることに繋がります。

 

 B1グランプリは最初はとても小さいイベントでした。その後、急速に大イベントとなり、過疎地の町興しどころじゃ、相当規模の都市でないほど運営ができない状態となりました。このようにもともと存在していた物の中に新たな価値を見いだされ、巨大な市場になったものがたくさんあります。それらの市場を大きくしたのは最初に制度を作ったひとではなく、途中でその潜在価値に気付いた人なのです。

 

 物の価値を図る上ではコスト発想ではなく、マーケット発想が必要です。商品がどこで高く売れるか。値段の感覚は個人差があります。価格は個別の需要者がいくらまで払うかに応じて柔軟に変更されるのです。

 

 学びは学校に戻ることだけではありません。考えたらやってみて失敗する(市場からのフィードバックを貰う)ことの繰り返しで、マーケット感覚を学べます。学校で型にはめられた需要のない学問ではなく、マーケットに身を置き、求められていることを肌で感じながら、試行錯誤していくことが最速の成長なのではないでしょうか。

 

 読んでみて自分にはマーケット感覚が足りていないと痛感させられることが多かったです。いかに自分が狭い凝り固まった知識で世界を見ていたか。マーケット感覚はその狭い世界を破る鍵になると思います。鍵を開け、広く世界を見たいと思ってます・・・。